ふたりの王子と、金色キツネ。

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保志(ほし)の表情は相変わらず(かた)い。しかし、先ほどの鬼原(きはら)への態度とは少し異なっている。感情を必死に抑えているような、そんな雰囲気だ。 「いや、知り合いが作ったものなんですよ。実証したいからって頼まれて、つい最近設置したんです」 「……制作者の方は、いまこちらにいらっしゃるんですか?」 あー、普段は名古屋にいるひとなんで、と答える(みなと)係長。なんだか歯切れが悪い。 「(えん)があれば、会えるかもしれないな」 「……そう、ですね」 鬼原と保志が笑顔で言葉を交わす。 表面上は穏やかなのに、なぜだろうか、寒気がした。
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