1-1 深雪《ふゆ》と夏都《なつ》

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◇ 掲示板にはたしかにそう書いてある…! 何度見ても同じ。 高校はじめての定期テスト… 順位は上位者だけ廊下の掲示板に張り出される。 そんなはずはない。のに… 夏都の上に名前があった。 一位:上河内真哉(かみこうちしんや) 492点 二位:桐島夏都 479点 しかも13点も差をつけられてる… 信じられない… 「真哉スゲエ。やっぱ特進来てもお前はやるなぁ。」 「上河内くん。わたしにも勉強教えてよ~。」 誰よ。上河内って! 顔を見るとさわやかなイケメン。 頭良くてこのさわやかさ。 モテそうな男ではある。 同じクラスじゃないよね…? 「あ、桐島さんもすごいよね…」 上河内という男の横にいる男子が夏都を見た。 「女子なのに二位なんて。 俺も勉強教えてほしいなーなんて…」 夏都ははらわたが煮えくり返っていたがなんとか平静を装った。 「あら、上河内くんってすごいのね。 わたしも見習わなきゃ…今度わたしも教えてほしいわ~。」 上河内にニコッと笑いかけて見た。 ところが、この男は今までの男とは勝手が違っていた。 「ふん。」 鼻で笑ったのだ。 「俺忙しいから他当たって。」 は?!何コイツ! ニコッの行き場がなくなってしまった夏都は、踵を返してその場を去るしかなかった。 あー! わたしに恥をかかせた上河内っていったい誰?!
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