第三十四話

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「それだよ!そこが違うんだって」 「何を言ってるんだあなたは?だってあなたが」 「復讐だよ……復讐」 「復讐?」 「ああ。姉さん、つまりあんたの母親が霧島と別れて帰ってきたときは妊娠なんてしてなかったのさ」 「ええっ……それじゃあ僕の父親は?」 「当時私が付き合っていた男さ……その男が姉さんをレイプしたんだよ。そのときに身籠ったのが大雅、あんたなんだよ」 あまりのことに言葉が出てこなかった。 「その男が姉さんを犯して私の前から逃げた……しかも逃げる直前からかなり羽振りが良かったよ。いなくなるときもけっこうな額のお金を持ってね」 当時を思い起こしたのか叔母は顔を歪めた。
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