第三十四話

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「私はピンときたよ。誰かがお金を渡して姉さんを犯させたんだってね。それも私の男に目をつけてさ……そんなことするのは姉さんを恨んでる霧島の家の人間に決まってるさ!」 「な、なんの証拠があってそんなことを?」 妄想だ……この人は刑務所にいる間に頭がおかしくなったんだと思った。 「あんたを引き取ることがあまりにもスムーズにまとまったからさ。いくら血がつながっていると言っても愛人の子供だよ?それを黙って金を出すわ、引き取るわ、後ろめたいことがあるって証拠だろう?そのとき私は自分の見立てが間違ってないことに確信を得たのさ」 叔母はその後も頼んでもいないのに語った。 「私は復讐してやりたかった。あの大好きな美しい姉さんを貶め、汚した霧島の家にね。だからあんたのことを試しにふっかけてみたんだよ」 そうだ……ことの始まりはこの人が愛希の家に生活費を要求したことから始まったんだ。
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