第三十四話

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床を蹴って立ち上がった。 パイプ椅子が後ろに倒れて、叔母が驚いて僕を見る。 「おまえなんか叔母でもなんでもない」 「大雅……」 「僕はあなたを一生許さない!絶対にだ!!」 「ちょっと待って…」 「地獄で焼かれろ!!」 それだけ言うと面会室を後にした。 これはなんの冗談だろう? こんな質の悪い冗談があるのだろうか? 愛希は最後の最後まで「僕の姉」という立場を意識して縛られていた。 でも本来はそんなこと全く気にする必要もないことだったんだ。 僕達は普通の恋人と同じで、誰を気にすることもなく愛し合えたんだ……
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