第三十四話

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愛希…… 愛希…… いくら呼んでも声は反ってくるわけもない。 あの笑顔も怒った顔も、ふと見せる優しい眼差しも僕の前からは消えてしまった。 怒りと憎悪と虚しさと悲しみが僕を満たした。 気が狂いそうだった。 それでも僕は約束したのだから…… 愛希をいつも傍に感じていると。 それだけが発狂しそうな僕にとって唯一のよすがだった。
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