秘密の恋

最終話

父と愛希のお母さんは僕に対して非常に親切だった。

それが愛希の手紙のせいなのか？

叔母が語った秘密からくる後ろめたさからなのか？

だが、今の僕にはどうでも良いことだった。

僕はこの家族に文字通り｢厄災｣を運んだのだから。

僕がいなければ二人は愛希を失うようなことは無かった。

申し訳ない気持ちでいっぱいで、この人達に怨みを抱くなんてことは皆無に等しい。

なによりも霧島の家を怨みに思うこと自体が叔母の思惑通りな気がして吐き気がしたからだ。