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伯爵は、地下へ地下へと逃れて行った。
すると「何だ？地下にも都市があるのか？」
そこは人間で溢れていた。
横から駅員が「はい、白線までお下がりください」
と伯爵をぐいっと押した。
「何をする、無礼者めが！」伯爵は指図される事が、我慢できない性分である。
お前が最初の生贄だ！
伯爵が大きく口を開けると、上顎の二本の歯が鋭いキバとなった。
そこで電車のドアが開いた。
プッシュー
伯爵は酔ったサラリーマン達に押されて、あっと言う間に奥に押し込まれていった。
「うわー何じゃ？くせー！おい、やめてくれ。降ろしてくれー！」
満員電車の中、伯爵は深夜まで地下鉄を回り続けたのであった。
終わり
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