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私の生まれはトランシルバニア。
昔は伯爵と呼ばれた。もう何世紀も前の話だ。
ある時、疫病が蔓延して人の多くは命を落としていった。人の生き血を好む私にとって、それは大きな問題であった。
そして餌場を失った私は故郷を離れ、この大災をやり過ごすため東方の地で、深い眠りについた。
そして…
目が覚めると、そこには異様な光景が映っていた。
夜というのに辺りは煌々と照らされ、町という町は四角い塊が、沢山そびえ立っている。
「文明の進化か?ここは島国だったはず。どのくらい経ったのだろうか」
伯爵はマントを翻し、夜の町を拝観した。
するとそこに一人の美女が、フラフラしながら大通りを渡ろうとしていた。
久しぶりの人間の血だ!
伯爵が後ろから手を伸ばそうとした時、パパーンッ!と大きな地鳴りがした。
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