届かないキス

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「あー、ごめんごめん!あなたが〇〇さんの足をさっき踏んでる動画をみてたら、自分も踏まれてる感覚になっちゃった。ごめんね。」 「っ!」 堪らず吹き出す前の席の子。 「面白いね、君。」 「ちょっと、関係無い人は黙ってて!」 「関係ない?あるよ、同じクラスだもん。」 その一言で教室が一転した。 それがわかったのか私を囲んでた子達が退散した。 「ねぇ!やっぱり、アンタ、クラス委員しなよ?向いてると思う。」 その子は振り返る事はしなかったが、次の時間、クラス委員に手を出しあげていた。 その、様子を隣のクラスだった西谷さんは見ていたらしい。 「菜月の影響を受けて、なにかと真似したりしてさぁ。」 声を震わせながら明るく話す遥。 「それから、菜月がどんなヤツなのか調べていくとさ、嫌になるくらい、いいヤツでさ、、、。詩織が好きになるのもわかるなぁって、、、。2年になって、私だけ違うクラスになって、すごい焦った。もし、2人が急接近して、菜月も詩織を好きになったら、私、好きな人と親友を同時に失くしちゃうって、、、。」 ポロポロ泣きながら話す遥。 「あの日、教室で菜月が詩織にキスしたって聞いてザワついた。その後詩織と話したら、泣いてた。菜月は自分の事誤解してるって。」 気がつくと、私は遥を抱きしめていた。 「変な感情はなし。友達、、、ううん、親友としてこうしたい。」 「菜月、、、ごめん、、、」 「謝んないでよ、、、これでも結構、キツい、、、」 「ごめん。けど、好きって言ってくれて、ありがとう。」 私達は、夜の公園で抱き合って泣いた。 同じ失恋をした者同士として、思いっきり泣いた。
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