2人が本棚に入れています
本棚に追加
「えーっ?あの子が?」
「ホントだって!見たもん!」
朝の教室で盛り上がる女子。
1人増え、また1人増えと気がつくとクラスの半数以上の人が輪になっていた。
「ホントだって、木元さんが・・・」
チラチラこちらを見て話してる。
(なんだ、私か。)
その輪の中のリーダー格の女子が1人やってきた。
「ねえ、木元さん。あなた三年生の南先輩と付き合ってるの?」
後ろにゾロゾロと取り巻きが控えている。
(面倒くさい)
「別に、付き合ってないけど?」
顔を上げずに答える。
その態度に腹を立てたのか、後ろの取り巻き達が口々に、
「うそ!昨日公園で見た人がいるのよ!」
「正直にいいなさいよ!」
「それに、キスまでしてたって!」
リーダー格の女子が取り巻きを制するように片手を軽く上げる。
「どうなの?目撃されてるようだけど?」
「仮にそうだとしても、あなた達に関係なくない?」
取り巻き達が更に騒ぎ立てる。
「南先輩は、皆が憧れてるの!独り占め見たいな事は、」
私は勢い良く席を立つ。
一瞬で静かになった。
「あんたも?」
「え?」
「あんたも、南先輩てのが好きなのかって聞いてんの」
リーダー格の女子が少し赤くなった。
「なっ、今はそんな事、、、っ!」
教室がざわついた。
私がリーダー格の女子の制服を引き寄せて顎を持ち上げキスをしたからだ。
「、、、あ、顎クイ、、、」
誰かが呟いた。
「っ!な、なにを!」
私を突き飛ばしたリーダー格の女子は更に顔赤らめた。
「お裾分け」
私はニヤリと笑って、ざわついている教室を出た。
(一時限目は避けた方がいいかな。)
最初のコメントを投稿しよう!