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 争いごとがなくなり各国は和平のため国土の統合を始めた。人口が増え人々の住む土地が手狭になってきたからである。国は田畑や墓地など不要となった土地や、森や湖を埋め立て住宅地を作った。  それでも溢れた人々は居場所を求め世界中を転々とした。すると不死の細胞は独自に進化を始めた。  温度差の激しい砂漠に行けば皮膚が爬虫類のように硬くなり、雪や氷に覆われた大地なら獣のように体毛が濃くなった。空に居場所を求めれば腕や背中から翼が生え、海に潜ればエラやヒレや水掻きが作られた。  人々はこれら進化した人間を“神人類(しんじんるい)”と呼び、地球は神人類の支配下となった。  いつしか旧人類や動物など弱い立場の生物は、天災や異常気象、流行り病や食糧不足で絶滅し、地球はあらゆる環境に適応できる神人類だけの世界となった。
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