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 地球の表面を覆い尽くすように増殖していく神人類。都市部では天を突くほどの高層ビルやマンションが地上を埋め尽くしていた。その中でも一際巨大な超高層タワーの一室にて、神人類の代表者達が会議を開いていた。 「陸、海、空。もはやこの星に我々神人類の居場所はない」 「やはりこれ以上子孫を作ることは許されん! 生殖行為を全面的に禁止すべきだ!」 「全ての神人類がそれを律儀に守ると思いますか? この先、千年も、一万年も、永遠に」  一人の発言により全員が黙りこんだ。 「もうこの世界に法も秩序もありません。そもそも神を法で縛るなど愚の骨頂です」 「しかし、このまま無尽蔵に増え続ければ地球を圧迫してしまうぞ」 「我々とは違い星には寿命があります。ならばもうこんな死にかけた星は出るべきです」  そう言った神人類は異様に伸びた人差し指を立てた。 「今や我ら神人類は高度数万メートルの成層圏でも、マリアナ海溝の最深部でも生きていけます。ならばこの世で最も劣悪な環境でも生きていけるはずです」  神人類達は揃って天井を見上げた。 「……宇宙か」 「そうか。無限に広がる宇宙なら土地に困ることはない!」 「いざ行かん。銀河の果てへ!」
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