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(俺達、なんのために生きてんだろうな。不死身ってのもいい加減うんざりだ。いいよなぁ。大昔の人間は80年かそこらで死ねてよぉ……)
(全くだね。生きるのなんて80年程度で十分だよ……)
神人類の誰もが生きることに対し無気力になっていた。ただ漠然と永遠の刻を死んだようにやり過ごしていた。
(ただいまー)
ヒトデのような夫婦の子供が学校から帰ってきた。産みすぎてもはや何番目の子供なのかも分からない。
(おう、おかえり。学校はどうだった?)
(うん。先生が人類だった頃のお話を聞けたし、休み時間はみんなと隕石群でかくれんぼして楽しかったよ)
(そうか。いいよなお前は。生まれたばかりでまだ生きる気力があってよ)
(それより他の子はどうしたんだい?)
妻は百人以上いる他の兄弟達の姿がないので尋ねた。
(えっとね、ずっと向こうにね、黒い渦巻きみたいなのがあってね、みんな見に行ったらそこに吸い込まれちゃったんだ)
それを聞くや夫婦は顔らしき場所を向き合わせた。
(……アンタ)
(……ああ、間違いない。“ブラックホール”だ)
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