第十一話「Happy Birthday」

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「あのお母さんが、私の友達に興味を持ったことがよ!」  亜利紗は興奮した口調で捲し立てた。 「普段は亜利紗の友達なんて、空気扱いだもんね」 「そーよー! うわ、こわっ。一体どういう心境の変化だろ」 「……まあ花衣は、今まであんたが付き合ってた子達とは、全然タイプが違うから。それでちょっと興味を引かれたんじゃないの」 「そうかもしれないけどさぁ。……ほんと、花衣って不思議」 「え、何が?」  いきなりまじまじと見つめられて、花衣はドキドキしながら亜利紗の顔を見つめ返した。 「なんか、気になるのよね。すごく普通で目立たない感じなのに、目を惹かれるし構いたくなるって言うか……」  紫苑が笑いながら「分かる」と同意した。 「きっと雨宮社長も私らと同じだよ。構わずにいられないって言うかさ。思わず可愛がりたくなる魅力があるよね」 「うん、そう。その通り」  亜利紗は真剣そのものの顔で頷いた。 「気難しい雨宮会長も、花衣のことは可愛がってるし。うちのママがあんなに笑顔で対応とか……信じられないよ。何だろ。このスレてない感じがいいのかな」 「そうだね。守りたくなるピュアな雰囲気だよね」 「ちょ、ちょっと二人とも……」  亜利紗と紫苑の会話に顔を赤らめて、花衣は慌てて両手を振った。     
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