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「あのお母さんが、私の友達に興味を持ったことがよ!」
亜利紗は興奮した口調で捲し立てた。
「普段は亜利紗の友達なんて、空気扱いだもんね」
「そーよー! うわ、こわっ。一体どういう心境の変化だろ」
「……まあ花衣は、今まであんたが付き合ってた子達とは、全然タイプが違うから。それでちょっと興味を引かれたんじゃないの」
「そうかもしれないけどさぁ。……ほんと、花衣って不思議」
「え、何が?」
いきなりまじまじと見つめられて、花衣はドキドキしながら亜利紗の顔を見つめ返した。
「なんか、気になるのよね。すごく普通で目立たない感じなのに、目を惹かれるし構いたくなるって言うか……」
紫苑が笑いながら「分かる」と同意した。
「きっと雨宮社長も私らと同じだよ。構わずにいられないって言うかさ。思わず可愛がりたくなる魅力があるよね」
「うん、そう。その通り」
亜利紗は真剣そのものの顔で頷いた。
「気難しい雨宮会長も、花衣のことは可愛がってるし。うちのママがあんなに笑顔で対応とか……信じられないよ。何だろ。このスレてない感じがいいのかな」
「そうだね。守りたくなるピュアな雰囲気だよね」
「ちょ、ちょっと二人とも……」
亜利紗と紫苑の会話に顔を赤らめて、花衣は慌てて両手を振った。
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