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造花付きリボンの飾られた紙袋から出て来たのは、ペアのレザーブレスレットだった。
牛革のベルト部分は赤と焦げ茶の色違いで、飾りプレートにはそれぞれ「with S」「with A」と文字が彫られていた。
「これってもしかして……」
赤いブレスレットに彫られた「with S」の文字を見つめながら、亜利紗が呟く。
「う、うん。赤が亜利紗ので、茶色い方は奏助さんのなの……。お揃いで作ってみたんだけど、どうかな……」
「えっ、これ手作りなのっ!?」
「へえ、凄いな」
それまで関心薄く聞いていた紫苑も、身を乗り出して亜利紗の手にある二つのブレスレットを見つめた。
「本革で作ってあって、本格的だね。花衣ってこんなのも作れるんだ」
紫苑の言葉に、花衣は笑顔ではにかんだ。
「そんな、全然大したものじゃないけど……。私、このくらいしか出来ないから……」
「そんなことないよっ!」
いきなり亜利紗が大声を出し、花衣と紫苑はびっくりして顔を上げた。
亜利紗はプレゼントを両手に掴んだまま、「花衣、このプレゼント、すごく嬉しい……。泣きそう……」と、本当に今にも泣き出しそうに顔を歪めた。
「ええっ、なんで!」
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