第十一話「Happy Birthday」

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「あーっ、花衣のはハナミズキだねっ、で、私のは桜!」  亜利紗の指摘に、花衣は「え、そうなの……?」と呟くように訊ねた。 「うん。実は私、ここの桜シリーズのピアスをもう持ってるんだー。だから合わせてくれたんでしょ、紫苑?」  紫苑は目を細めて無言で頷いた。 「で、花衣はハナミズキかぁ。確かにこの控えめで可愛い感じが、花衣にぴったりかも」  亜利紗はニコニコしながら花衣の指にリングを嵌めると、自分も同じ右手薬指に嵌めて二人の手を並べた。 「やーん、可愛い。凄くいい!」 「本当に……綺麗で可愛い……」 「喜んでもらえて何より」  自然と頬を緩ませる“妹達”を見つめ、紫苑も穏やかに微笑んだ。
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