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「あーっ、花衣のはハナミズキだねっ、で、私のは桜!」
亜利紗の指摘に、花衣は「え、そうなの……?」と呟くように訊ねた。
「うん。実は私、ここの桜シリーズのピアスをもう持ってるんだー。だから合わせてくれたんでしょ、紫苑?」
紫苑は目を細めて無言で頷いた。
「で、花衣はハナミズキかぁ。確かにこの控えめで可愛い感じが、花衣にぴったりかも」
亜利紗はニコニコしながら花衣の指にリングを嵌めると、自分も同じ右手薬指に嵌めて二人の手を並べた。
「やーん、可愛い。凄くいい!」
「本当に……綺麗で可愛い……」
「喜んでもらえて何より」
自然と頬を緩ませる“妹達”を見つめ、紫苑も穏やかに微笑んだ。
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