19人が本棚に入れています
本棚に追加
/74ページ
そして、次の日の朝になりました。
ヨシオネ島へやってきたルカは、人間の姿になると砂はまの上を走り出しました。ルカは、今日もゲンキと遊ぶためにこの島へやってきました。
「そういえば、ゲンキくんの家へ行ったことがないわ。ゲンキくんは、あたしに家の場所を教えてくれないし」
ルカはゲンキとよく遊んでいますが、ゲンキの家がどこにあるのかは分かりません。
そのとき、近くから子供たちのにぎやかな声がルカの耳に入りました。すぐに走って行くと、家の前に子供たちが何人も集まっています。
「あそこに子供たちが集まっているわ。まだ朝になったばかりなのに……」
ルカはどうしても気になったので、子供たちの後ろから見えるところへ行きました。そこには、照れながらも笑顔を見せるゲンキの姿がありました。
ゲンキは、目の前に現れたルカを見て思わずびっくりしました。
「わわっ! ルカちゃん、どうしてここへきたの?」
「ゲンキくんといっしょに遊ぶために……。あれっ、もしかしてあのお布団は……」
ルカは、ゲンキのそばにある物干しに干されたお布団を見ました。そのお布団には、見事にでっかいおねしょをやってしまったことが一目で分かります。
「えへへ、今日もこんなにでっかいゲンキおねしょをやっちゃったよ」
「あれだけ強いゲンキくんにも、こんなかわいいところがあるのね」
ゲンキは、ガンペキ島の頂上にある大きな岩に勢いよくおしっこをする夢を見てしまいました。あれだけ夢の中でおしっこをしたら、お布団に「ゲンキおねしょ」をしちゃうのも無理はありません。
「ゲンキくん、今日もお布団にゲンキおねしょをしちゃったのね」
「うふふ、ゲンキくんは夢の中でも元気いっぱいだね。あんなに大きなおねしょをしちゃったお布団を見たのは初めてだもん」
ゲンキはいつも遊ぶ子供たちだけでなく、ルカにもゲンキおねしょを見られてしまいました。これには、いつも腹がけ姿のゲンキも思わず恥ずかしそうな表情を見せています。
あれだけの力であやかしけものをやっつけたゲンキですが、おねしょが治るのはまだまだ先のことになりそうです。
最初のコメントを投稿しよう!