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サルべえの言葉に、ゲンキは足をピョンピョンさせながら喜んでいます。かわいい子ザルたちも、続々とゲンキの体にへばりついています。
「ゲンキくん、この前みたいにあそこの高い枝まで飛んでほしいなあ」
「みんながそう言うなら、ここから飛び上がってみせるよ!」
ゲンキは、サルたちにいいところを見せようと真上へ高くジャンプしました。すると、大きな木の太い枝に両手でにぎりしめました。
「うわ~い! ゲンキくんは本当にすごいなあ」
「ゲンキくん! すごい! すごい!」
「みんな、ここを見て見て! ぼくは……。ギュルギュルゴロゴロッ……」
ゲンキは、真下にいるサルたちの喜ぶ顔を見るのがうれしそうです。しかし、ゲンキのお腹に思わず力が入ったそのときのことです。
「プウウッ! プウウウッ! ププウウウウウウウウウウウウッ!」
ゲンキは、太い枝で両手をにぎったままで大きなおならを三連発してしまいました。あまりのおならのにおいに、ルカもサルたちも鼻をつまんでいます。
「もうっ! ゲンキくんったら、こんなところで大きなおならをするんだから!」
「ルカちゃん、ごめんごめん。元気なおならがいっぱい出ちゃった」
ゲンキは顔を赤らめながらも、おならがいっぱい出ちゃったことに照れています。これを見たサルべえも、ゲンキの元気さに大きな笑い声を上げています。
「はっはっは! 元気なおならが出ちゃうのも、ゲンキくんにとっては赤おにの子供として立派なことじゃ」
こうして、サルたちのにぎやかな声が再びルサオ島にひびきわたりました。笑顔を取りもどしたサルたちの表情を見ながら、ゲンキとルカは別れをおしむようにガンペキ島へもどって行きました。
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