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第1話 ゲンキくんとガンペキ島のあやかしけもの
(1)赤おにの男の子は元気いっぱい
これは、今からかなり昔のお話です。
海にうかぶヨシオネ島で、砂はまをかけ回る一人の男の子がいました。その男の子は、他の子供と違ってはだ色が赤色です。
「みんな、早くおすもうをしようよ!」
「ゲンキくん、たのむから手加減してよね!」
赤おにの男の子であるゲンキは、いつも「ゲ」と書かれた青い腹がけ一枚で過ごしています。でも、おにのシンボルであるツノは生えていません。
今日も、ゲンキが大好きなおすもうが始まります。
子供たちは、ゲンキにおすもうで何度も勝負をいどみました。しかし、ゲンキのあまりの強さにはかないません。
「みんな、どうしたの? おすもうはもうしないの?」
「だって、何回おすもう取っても、ゲンキくんの前ではかなわないよ」
子供たちは、どんなに力を入れてもゲンキを動かすことができません。すると、ゲンキは軽々と子供たちに土をつけました。
「おすもうでは負けたけど、木登りでは負けないぞ!」
「それじゃあ、ぼくは島で最も高い木のてっぺんまで登っていくぞ!」
今度は、みんなでどこまで高く木登りできるか競争します。
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