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繋がっているところと同じくらい増田さんの視線が熱い。
羞恥から顔を背けると両手で顔を上に向かされて視線が絡む。
「みてて。」
そう言って私の反応を確かめるように動く。
そのまま指先が唇を辿ると口内へと侵入してくる。
下唇を潤すように動く舌先が見え、それにつられるように指先に舌を這わせた。
指先が優しく妖しく口内を蹂躙する。
そして濡れた指先が首元を緩くたどる。
水面を下から見上げるような息苦しさに体が浮遊する。
波間にやっとの思いで顔を出し酸素を取り込んだと思った途端に新しい波でまた深い海へと潜って行くように、絶え間ない刺激にうまく息を継げない。
とうに思考は遠く、自分のものとは思えない声と彼の荒い呼吸、赤い髪の間から覗く瞳が一層私を追い詰めていく。
その瞳には慈愛と獰猛さが混在していて、私もまた溺れてしまいそうなその恐怖にも似た痺れと甘美な快感の波にのまれてしまいそうだった。
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