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「ありがとうございます。」
「どうするつもりだったの?」
「あー、どうしようかなーと思っていた所で…」
持っていたハンカチで服についた雨粒を拭う。
「たく、そういう時はちゃんと連絡してよ。」
「電話しようかと思ったんですけど、仕事中かなとか、それに一々こんな事で連絡するのも…。」
「なんで?こういう時頼りになんなそうだった?」
「いや、そんなこと…。」
顔を上げるとハンドルに寄りかかってこちらを向いた増田さんと目が合う。
ハザードのチカチカという音と外で車が水溜りを走っていく音、それにドキドキとなる自分の心臓の音が聞こえて顔が紅潮していくのがわかる。
たまらず俯くと、優しい声が降って来た。
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