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シャワーを浴びながらそんな事をぐるぐると考えていたらのぼせて来た。
浴室のドアを開けると几帳面に畳まれたタオルと着替えが置いてあった。
濡れたものを入れていた洗濯機が静かに唸りをあげ、小窓から白い泡がぐるぐると回っているのがみえる。
なるべくサイズの小さなものをと探してくれたであろうTシャツとスエットを身につけ部屋へ戻ると、小さな生地がいくつも貼りついた資料の束を確認していた増田さんがこちらを向いた。
「シャワーありがとうございました。服も。」
「あ~うん。やっぱりブカブカだね。」
と笑って資料を閉じる。
「じゃあ、おれもシャワー浴びてこようかな。コーヒーいれてあるから適当に飲んで寛いでて。」
そう言ってさっきまで私のいたバスルームへと消えていく。
慣れない部屋に1人残されて、若干の居心地の悪さと浮き足立った好奇心が混ざった気持ちのままキッチンに向かうと、コーヒーメーカーから溢れた香ばしい匂いが辺りに漂っていた。
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