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コップの隣には砂糖と牛乳がパックのまま置かれていて、その無骨さに頬が緩んだ。 カップにコーヒーと牛乳とお砂糖を入れ、置いてあったスプーンでかき混ぜる。 牛乳を冷蔵庫に戻すか逡巡した後、うっすらと汗をかいたパックを戻すべく冷蔵庫を開けると、ほとんど飲み物しか入っていない簡素な中身に少し安堵した。 猫舌な自分に丁度いい温度のコーヒーに口をつけつつ部屋の中心に置いてあるソファに座り、 主人のいない部屋をキョロキョロと見回す。 カフェテーブルに置いてある先程の資料以外はどこも綺麗に片付けられていて几帳面な彼の性格が現れた部屋だった。 半分ほどに減ったコーヒーカップをテーブルに置き、触り心地の良さそうなクッションを抱きしめると欠伸が出た。
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