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「何がおかしい?」
「だって僕、お兄様と寝てるでしょう?」
周りの箸が一斉に止まった。
ちょうどランチプレートが運ばれてきて
「おまえなぁ……!」
薫は飲んでいた水を派手に吹き出した。
「紛らわしい言い方するんじゃないよ」
周囲の好奇の目を気にしながら
薫の方が声を潜めて言った。
「本当に何しに来たんだ?」
気分を爽やかにしたいのか
瑞々しいグリーンサラダを頬張る。
「いけない事でしょうか?」
「え?」
僕はストローでグラスの中の氷を弾いた。
「僕のしていることはそんなにいけない事でしょうか?」
笑みを浮かべたつもりだったが
上手く笑えなかった。
苦いライムを噛みしめたみたいに。
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