episode240 倒錯と狂気の進む先 ②

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「そんな事どうして俺に聞くんだよ?」 最もな答えだ。 「そもそも善悪を前提にしている事でもないだろうが」 それも言えてる。 「それじゃ、薫お兄様が貴恵お姉様の立場なら?」 「あ?」 薫は訝しげに箸を止めた。 「貴恵お姉様の立場でも同じことが言える?」 僕が食い下がると少し首を傾げ それでもやっぱり首を横に振った。 「色々されたけれど、ここらで一旦僕が謝るべきだとは思いませんか?」 「何をいまさら」 「遅すぎる?」 いや、たとえ遅すぎたとしても。 僕の中に初めて 憎悪と憐れみと罪悪感が同時に芽生えたのは事実だ。
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