episode240 倒錯と狂気の進む先 ②

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「今度ばかりは僕、本当に殺されるかもしれません」 冗談でもなく それでも微かに笑って僕は言った。 この期に及んでまだ 勝ち誇ったところがあったのかもしれない。 奪われた者を蔑み 欲しい物を勝ちとった自分を自負する卑しい心だ。 「命が惜しきゃ大人しくしていることだ」 そんな僕の心を見抜いてか ジュンは咎めるように言った。 「これ以上誰も刺激するような真似をしてはいけない」 「肝に銘じておきます」 素直に返事をする。 でもそんなの 僕を知る人間はもちろん信じやしない。 「和樹――」 「はい?」 寝間着姿の椎名涼介は気だるく僕の肩を抱き囁く。 「今は僕のベッドが一番安全だ。そう思わないか?」
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