episode240 倒錯と狂気の進む先 ②

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「本当のところが分かったから、僕行きます」 自分で言うのもなんだけど 僕としては珍しく 「どうしても?」 「朝早くにすみませんでした」 甘い誘いの手を一切寄せ付けなかった。 さすがに気分ではなかったし これ以上の面倒事はごめんだった。 「で?これからどうするつもり?」 椎名涼介の至極的を得た質問に肩をすくめて見せる。 「さあ。でも一度よく考えてみます」 考えなしにここまで来た。 だけど今回ばかりはきっと 考えざるを得ないだろう。 そんな気がした。 「これ――君にやるよ」 今生の別れのような顔をして ジュンは首から下げていたエスニック調のネックレスを外すと。 「いざって時のお守りだ」 僕の頭からすっぽり被せてくれた。 「ありがとう。いかにも身を助けそう」 小さな鏡のように朝日を反射するそれを 僕は首筋からシャツの中にしまい込んで椎名邸を出た。
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