episode240 倒錯と狂気の進む先 ②

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ジュンの言う恨(ハン)の思想 恨(ハン)という愛の形について考えながら 僕は陽の昇り切った街を歩いた。 読んで字の如く恨みの感情であり また恨むほど愛しているという意味ならば 僕はまさにあの屋敷で一心にその感情を受けていると言える。 征司からも。 貴恵からも。 九条さんからも――きっと。 僕の無意識がそんな事態を招く。 それを魔性と呼ぶんだとジュンは言った。 そんなもの本当は 全て立ち切るべきなのかもしれない。 僕の心が強ければ 出来ない事ではないだろう。 少なくとも ここまでの事態にはならなかったと思う。 だけど実際 僕の心は弱いから。 周りを巻き込む。 無意識に意識的に いつだってどこまでも――。
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