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それから十日が経過し、僕は共同風呂から自室へ戻る。
ふと通路で立ち止まってみる。
天井には無数の凸凹とした穴。いったいどんな激しい訓練が行われていたのか。
(明日からも頑張るぞ)
そう僕は胸に刻むと何やら外が騒がしい。
「おい!聞いたか
お前!」
慌てた様子の先輩の志願者は興奮気味で僕に聞いて来る。
「な、何をですか?」
「豹だよ豹!!喋る豹が森ん中にウロついてるんだよ!!
しかもすっげぇ美女も!!」
――豹?美女?
僕はなんの事だが結び付かなかった。
興味本意で森へ向かう仲間達の手には――
(スタンガン……!?)
槍やナイフなど物騒なものを持っている姿を見て僕はいてもたってもいられなかった。
僕は走る。
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