題名のないおとぎ話

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 リアムはいつも城を抜け出すと、街を抜け、遠くの森に馬を走らせました。  ここには様々な種類の花が咲き、果物が実っていました。別のほうへと足を伸ばせば、滝と川があり、魚が泳いでいます。そして、川の水を飲みにきた森の動物たちも、そこにはたくさん集まっていました。  彼はここに来ると、城の中での勉強漬けの毎日から解放されて、とても清々しい気分になれました。 「あぁ、やっぱりここは最高だ。空気も水もおいしいし、熟れた果物がいつもある。僕はお城にいるより、ここでずっとのんびりしてたいなぁ」  そう言って彼は、芝生の上に寝そべりました。  青い空にゆっくりと流れていく雲を見つめていると、彼は気持ちよくなってきて、うとうとして眠ってしまいました。
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