本編1 出逢い

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(ああっ、余計に泣かせた! ウル兄、彰光、どっちでもいいから早く来て慰めてやってくれー) 「・・・・・・して」 焦ってオロオロしてた晴太は、キツネの子がささやいた言葉を聞き取れなかった。 キャワン? (ごめん、なに?) よく聞こえるように伸び上がった晴太タヌキを、キツネの子がうるうるの瞳で見つめてくる。 「・・・お願い」 (はうっ?!) ドスッとまたハートを撃ち抜かれた。 泣いてる子にお願いなんかされたら、どんなことでも頷くしかない。 キャワッ! (任せろ!) 晴太はお願いの中身を聞く前に「うんうんっ」と首をタテに振りまくった。 キツネの子のしっぽがふわっと付け根から持ち上がる。 「ほんと? ほんとにしてくれる? お嫁さん」 (うんうん、うっ、ううんっ??) まだうんうん頷いてた晴太は、キュッと抱きしめられて目を白黒させた。 キャワン? (え、ごめん、何するって?) 晴太の混乱にまったく気づいてないキツネの子が、恥ずかしそうに繰り返した。 「お嫁さん・・・・」 キャワーーーーーッ???
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