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「仕方ないな…」
私は制服のスカートのポケットに入っている小銭を取り出した。
百二十六円。
私は無意識に舌打ちした。
「あー、あたしタバコ買ったから二十円しかないわ」
アヤは私の手に二十円を乗せた。
カズキは無言で三十四円を渡す。
三人合わせて百八十円。
今時百八十円で何が買えるってのよ…。
私はタイヤの上に座っている神野を見た。
「神野…。お金貸してよ…」
私は神野に近付いて手を出した。
「わ、私…お金、持ってないし…」
私は神野とは小学校、中学校と一緒で、神野の家が裕福な家である事を知っていた。
「そんな訳ないだろう…」
私は半ば強引に神野が大事そうに抱えている学校の鞄を引き剥がす様に取り、中身をコンクリートの床にぶちまけると、ブランド物の財布が転がった。
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