第一話「猫に小判」

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「ちなみに今やってるのはその次のページだよ」 「え、そうなの?」 授業をちゃんと聞いていないとはいえ、ページは合っていると思っていた。 ページを捲り、ジョンからマイケルへとバトンタッチする。 「猫崎さん」 タイミングが良いのか悪いのか、英語の先生に呼ばれ、問題をやらされる。 隣の隆之介にこっそり教わった答えを言って、未亜はほっと胸を撫で下ろした。 「何から何までありがとう、犬飼くん」 「いえいえ。僕にはこれくらいしかできないし」 「崇め称えたいくらいには助かったよ」 「それは光栄だな」 そうして笑い合う。 英語の先生は同じ人に何度も当てることはしないため、遠慮なく私語を続けた。 優等生な隆之介は、意外とワルなのかも知れない。
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