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「あ? 別にいいだろ。前にも言ったがオレは金儲けのために『金貸し』してるんじゃねぇからな。『面白ければそれでいい』んだよ。‥‥今回は割と楽しませて貰ったからな‥‥それで充分だ」
蛇道の前には、相変わらず『いつものコーヒー』だ。
「人間、不必要に欲張って良い事ぁ何もねぇよ‥‥ん?」
蛇道のスマートフォンに、登録の無い番号から着信が入っている。
「‥‥誰だ?」
蛇道が電話に出ると。
「もしもし、蛇道?! アタシよ、沙樹よっ!」
スピーカーから金切り声が聞こえる。
「ほう‥‥何の用だ? 『今更』よぉ‥‥」
蛇道の声には、明らかな敵意がこもっている。‥‥当然ではあろうが。
「冗談じゃないわ! アンタ達が余計な事をしてくれたお陰で、アタシは大変な事になっているのよ! 分かるぅ?!」
泣き声になっているのが伝わってくる。
「知らねぇよ。どうせ『マフィア』だろ? そんなのを巻き込んで仕事をするからだ。自業自得だろうが!」
ラルセーが手配した『警護チーム』は、明らかにマフィアだった。
そして、その仕事が『ダメ』になった時、マフィアがその『オトシマエ』を要求するのは当然と言えた。
「カロンのクソ野郎ったら、全部アタシのせいにしたのよ!? 『蛇道から横取りした絵は、神楽に奪い返されたようだ』って! オマケにアタシの隠れ家までゲロって!!
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