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「に、20億円っ! いやっ! それは流石に!」
アルフレッドが青ざめる。
『本当の本物』ならいざしらず、『それ』はただの複製品なのだ。
それに20億円とは、あまりにも‥‥!
すると、その様子を見た蛇道が フフン、と嘲笑う。
「いや‥‥流石に『20億円』なんて大それた事ぁ言いませんよ? そうさね‥‥その『1/10』の『2億円』で、手ェ打ちませんかぃ? お互い『いい買い物』だと思うがね‥‥」
「ぐっ‥‥!」
アルフレッドが絶句する。
『最初にフッ掛けて』から値段交渉することで、『安くなった』と思わせて妥協へと導く。
それは、沙樹が使ったテクニックと同じものだ。
『2億円』は、今回の貸出で得たラルセー側の利益のほぼ全額に当たる。
だから『払えるのか』と言えば、決して『払えない額』ではないが。
アルフレッドの顔がジレンマに歪む。
100億‥‥100億なんだぞ!『その絵』の価値はっ! 例え『偽物』とは言え、その絵が『ズタボロになって発見』されれば、ラルセーに降りた『100億円』の保険金は返却義務が喪失するというのに‥‥! くそが‥‥なんで『ほぼ無傷』で発見されるんだ!
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