波紋

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「でも私その人のことを存じていないんです。シューズは二年生の色でしたけど」 とバスケ部のマネージャーは答える。それにしても他の部の厄介ごとに巻き込まれている点で、俺とこのマネージャーさんとはにているなあと何気なく思う。ご苦労なこって。 「その人が何をしに上手袖に来たかはわかる?」 「コルクボードをもっていってましたよ」 「コルクボード?」 「はい、そこにあるのと同じものです」 「結構大きいな。なぜ一人で取りに来たのか……」 バスケ部のマネージャーの話を聞いて、萌菜先輩は少し考えこんでいるようだった。俺は思いついたことがあったのでそのことを萌菜先輩に告げた。 「萌菜先輩、もしコルクボードを運んでいたのだとしたら、他に見た人がいるんじゃないですか?目立ちますから」 「そうだな、聞き込みに行くか」 「それは執行部でやってよ。そんな面倒なことやりたくないわ」     
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