波紋

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「でも、もし本当に陽菜ちゃんが犯人じゃなかったらどうするんですか。風紀委員に知られたら本当に活動停止になってしまいますよ」 どうやら疑いをかけられている一年生は陽菜という名前らしい。  俺は校内の生徒会の仕組みを良く知らないが、どうやら、もめ事を解決するのは本来風紀委員会の仕事らしくて、風紀委員が介入するような事態になればその団体は多かれ少なかれ活動停止になるようだ。どんな問題も許さないという事らしい。普段ならば各部活は問題が起きたとしても部内でもみ消そうとするのだろうが、このマネージャーさんはどうやら陽菜ちゃんとやらが犯人ではないと思っているらしい。しかし、面と向かって部長と対立する気にはならず、かつ活動停止も避けたいので、執行部に泣きすがったというところか。  萌菜先輩が俺に「私が話を聞くから、君は他に犯人がいそうにないか考えてくれ。もし他に知りたいことがあったら言うと良い」と言った後に演劇部部長と話を始める。 「では、問題の整理をしましょうか。鞄があったのは上手袖でいい?」 「ええ」 部長は不承不承といった感じであったが、萌菜先輩と話をすることを受け入れたようだ。 「鞄が確かにあったのは何時まで?」 「私がここに来て、置いた時よ。部活の開始時刻に出たから、四時だったかしら?」     
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