お礼に代えて

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その① 塩竈と空穏の出会いについての記述が抜けていました。44ページの染毛のシーンに以下の会話を差し込んであります。 塩竈「ええ、小生は由緒正しき公家の牛でした。でも家畜に対する上のやり方が気に入りませんで、葵祭に暴動を起こして都を飛び出しまして。小生を捕えて殺さんとする役人どもから救うてくれたのが空穏さんです。小生を余命幾ばくも無い牛だと役人に信じ込ませて追っ払い、お供にして下すったんです」 繭「まあ……!」 ーーちなみに、空穏と塩竈との出会いに関しては別作品に8ページの短編を書いておりますので、ご興味のある方はご覧下さいませ。この お礼にかえて の作品紹介欄にもリンクをつけてあります。 その② 木偶がひしめいていた場所を、以前は 『祠』と表記していましたが、現在は 『御堂』となっています。 祠は主に神道の神様を祀る所ですが、御堂は仏教系です。菩薩に繋がっていくので仏教を取りました。 その③ 黒幕が唐突過ぎる点。これは本当にすみませんでした。伏線がほとんど無かった…。現在は6ページ目に、 三年前、道中にて物言う雄牛・神獣の塩竈とひょんなことから出会い、救ってやった見返りのように「病の根源を視覚的に見える」能力を天から授けられた空穏であったが、その目をもってしても原因を見出せない。 天台宗を修める聖ながら根拠のない迷信や伝承をむやみに信じないたちの空穏だが、出張治療に参るたび、 『こりゃきっと物の怪の祟りに違いねぇって、村中の連中が噂しとるで』 とどの家の女房もしたり顔でぼやく通りに、あれは確かに怪異としか呼べぬものかもしれない。 「怪異か……」 だがそんな言葉で片付けてしまう気は毛頭ない。不可解であろうが必ずどこかに原因はある筈だ。それを手繰り寄せる努力は惜しみたくなかった。 ……という記述を足しています。
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