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「私・・・幸せになれるかな?なって・・・いいのかな?」
「当たり前だろ!小春は幸せになっていいんだよ。これからは俺が傍で支えるから」
「うん、ありがとう・・・」
「改めて言うよ?小春、俺と結婚してください」
「はい・・・よろしくお願いします」
小春は涙ぐみながら、精一杯の笑顔で冬馬の手を取った。
「ママ、どうしたのー?泣いてるの?」
「うん、大丈夫!ママね、すごく嬉しいの」
「うれしいの?」
「そうだよ。これからはね、冬馬とずっと一緒にいられるよ。冬馬がね、柚葉のパパになってくれるって」
不思議そうにする娘の顔を見ながら、これからのことを説明する。すると柚葉はその説明を聞くなり、
「やったー!うれしい!」
と、笑った。どこまで理解しているのかは分からないが、母の次に大好きな冬馬と一緒にいられることを素直に喜んでいた。
辛いこともあった。
悩んだことも沢山あった。
それでも秋人を愛してしまったことを、後悔したことは無かった。
落ちてはいけない恋に落ちて。
辛い失恋を乗り越えたその先に、小春は穏やかな幸せを見つけたのだったーーー。
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