片想い

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ほうじ茶とケーキの組み合わせは思いのほか悪くなかった。 ショートケーキは程よい甘さで、 食べ終わった後にはもう一つ食べっれそうだった。 もっとっも、もうそんなことをしていい年齢ではないけれど。 由奈に至っては、 妊婦になったので、これから体重管理などが大変だと言っていた。 不思議だった。 隣にいる親友のお腹に…… ……新しい命が宿っているなんて。 ケーキをあっという間にたいらげて、 私はお皿を片付けながらお湯を沸かし直した。 ほうじ茶のお代わりを淹れる。 ケーキを食べている間は由奈の妊娠の話に賑やかだったが、 徐々に落ち着いていく二人の間の空気に、 次は私が話す番なのだと静かに悟った。 お代わりに出したほうじ茶を 猫舌の由奈は黙って見つめていた。 「……思ったより元気そうで安心した」
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