片想い

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熱い湯舟に浸かってカラダを温める。 お湯にカラダを沈めながら私は自分の胸元に視線を落とした。 先週末、 左胸の上のあたりに純也さんが初めてつけたキスマークはもうわからないくらいに消えていた。 まるで自分のものに名前を記すように 私の左胸に印をつけた純也さん。 切ない純也さんの眼差しと 寂しそうな健吾くんの横顔と 今の私。 この歳になれば 恋にはしゃいでばかりはいられないとは思うけど 私たちを絡める糸は どこまでも冷たく私たちを縛りつける。 けれど この先の未来でどんな後悔をしたとしても 今する後悔より大きなものはないだろう。 今の気持ちに…… ……嘘はつけない……・
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