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彼女は担当者の川上と名乗った。
彼女に連れられチェックインカウンターの横を抜けてセキュリティーチェックを通過した。
そのままエスカレータで1階に降りてバス出発ラウンジに入った。
84番の搭乗口を抜けるとそこに白色のワンボックスカーが止まっていた。
川上と拓也が乗り込むと車はすぐに走り始めた。
ワンボックスカーは第一ターミナルを離れ、A滑走路を横切ると国際線ターミナル沿いにB滑走路エンドまで行き、旧整備場前のNエリアと呼ばれるスポットへ向かった。
そこに安曇航空機のライムグリーンのコーポレートカラーを纏った、ガルフストリームG650が駐機していた。
ワンボックスカーが横に止まると、搭乗ドアが上方から下向きに回転しながら開いた。
この飛行機はドアの内側に搭乗用のステップが取付けられている。
ドアが開くと父の浩二が顔を出した。
「拓也、早く乗って」
拓也はその声を聞くと、ここまで案内してくれた川上にお礼を言って飛行機に乗り込んだ。
拓也が乗り込むと女性の乗務員が搭乗ドアを閉める。
機内を見渡すと、機内前方にはゆったりとした革製のシートが4つ並び、その後方にドアがあった。
その中は寝室とトイレだと父が教えてくれた。
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