第2章 拓也の事件

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小笠原機長がその通信を聞いて頷いた。 「それじゃ管制承認の間にテイクオフブリーフィングだ」 そう言うと二人で様々な確認を始めた。 「天草空港は、滑走路3000フィートです。着陸は問題ありませんが、離陸時は離陸重量の制限が83千ポンドとなります。天草では給油しませんが予定離陸重量は78千ポンドなので規定内です」 それからチェックリストの確認やプッシュバックの管制承認が行われた。 エンジンをスタートする。 左から始動し、右の始動が終わったときにはプッシュバックも終了していた。 「Tokyo Grand, JAAZM01, Request taxi」 タクシー承認を受け、ガルフストリームは地上走行を開始した。 B滑走路を横断し、左に曲がり、A滑走路も横断する。 そして第2ターミナルを右手に見ながら空港の南側に向かった。 一番南にあるD滑走路05から離陸するようだ。 ガルフストリームの前に極東航空のボーイング787が地上走行をしている。 あの機体の次に離陸だと小笠原機長が教えてくれた。 前のボーイング787が離陸滑走を開始すると、ガルフストリームが滑走路に進入した。 「Cleared for Take Off, JAAZM01。離陸許可出ました」     
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