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車は横浜ベイパークに到着した。
遥は後席から降りると、拓也にも車から降りる様に促した。
彼女は車のトランクを開けると、中からテニスラケットを二つ取り出した。
そして、その一つを拓也に渡した。
「テニス・・?」
遥がニコリと笑った。
「そう、私と勝負して」
拓也は天を見上げて首を振った。
「勝負になる訳ないだろう。君は県大会準優勝だし、俺は高校に入ってラケット握っていないし・・」
遥がまた意地悪な笑顔を見せる。
「私が勝ったら、今回の告白は無かったことにしてあげる・・」
拓也は首を傾げた。まったく意味が分からなかった。
自分で告っておいて、それを必ず勝つ試合で無かった事にする??
遥は何がやりたいのか?
遥はトランクからテニスシューズを取り出した。
「はい、あなた26.5でしょ。シューズだけは履き替えましょう」
そう言って自分もテニスシューズに履き替える。
「上は制服のまま?」
「うん本当は着替えたいけど準備してなかった」
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