第4章 安曇電気研究所

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そこはヘリポートになっていて、グレーのヘリがロータを回したまま着陸していた。 丁度、二人の位置はヘリの後方なので、操縦席からは死角になっている様だ。 [他の乗員は君達の確保に向かっているから、今、ヘリに居るのは操縦者一人だ] 拓也は頷いて遥に言った。 「遥、ゆっくり俺に付いて来て。ヘリを奪取するから」 「えっ? 大丈夫? 武器を持っているかもしれないわ」 「大丈夫、このシーンは、ゲームの中で何度か経験したから・・」 そう言うと拓也はヘリに向かった。 「ゲームの中で・・? どういう意味?」 遥が呟きながら拓也に続く。 拓也は、テールローターに巻き込まれない様に慎重にヘリに近づき、前席の右側のドアを激しく開けた。操縦者が目を見開いて拓也を見ている。 「mwoji? neoneun? (何だ? お前は?)」 その男がそう言った瞬間に拓也は男の右足に取付けられていた小型拳銃を抜き去った。 そして男に銃口を向ける。
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