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「中井さん、すぐにゲームを始めたいのですが、もちろんここにはゲームの装備はありますよね?」
拓也は中井に聞いた。
「もちろんだよ。それも最新、且つまだ発売されていない、究極のバーチャルリアリティのインターフェースを持ったゲーム環境がね」
中井が胸を張った。
拓也と遥は、中井に案内され、ゲームR&D棟の3階に降りた。
そして、手のひら認証、網膜認証の二重ドアを抜けて、ある部屋に入った。
その部屋は、3台の繭の様な形をした装置が並んでいた。
その装置に近づき、中井が説明をする。
「これは最新型のバーチャルリアリティHMIを実現した試作機だ。我々は、コクーンと呼んでいる。」
「ゲーマーはこのコクーンの中に横たわって、この脊髄インターフェースを首に装着する。脊髄には身体を動かす全ての神経信号、また身体からの感覚信号が通っている。脳から送られるこの信号を検知して手や身体をゲーマーがどう動かしたいのかを装置側が認識すると共に電磁パルスを脊髄に出して、その神経信号を首の部分で塞きとめる」
「また、感覚信号はインターフェース側から、首の神経に伝わりバーチャルな衝撃や感覚を味合うことができる」
「つまりゲーマは手を動かそうと思っても自分の手は動かず、ゲーム内のアバターが手を動かしてくれて、アバターが受けた感覚を自分のモノとして知覚する事が出来る究極のHMI環境を提供してくれる」
「残念ながら、視覚、聴覚を神経信号で模擬する事は出来ないので、バーチャルリアリティーゴーグルを被って3Dの画像情報と音声を聴く事になるが、それでもこのバーチャル感覚は異次元の体験だと思うよ」
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