第1章 突然の告白

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遥が次のサーブに入った。 拓也がレシーブする。 ライン際ギリギリを狙った。 しかし遥がそれに追い付いてリターンした。 「また、そんな難しい所へ」 拓也がギリギリで拾う。 ボールは弧を描いて遥のコートのネット際に落ちた。 遥は既に前進していてバウンドしたボールをスマッシュした。 でも拓也はそれを予想出来ていた。 想定した場所にボールが飛んでくる。 拓也はそのボールをボレーした。 ボールは遥の足元に、高速で打ち込まれた・・ 遥がボールを目で追いながら、肩で息をしている。 遥が大きな目を見開いて、また、拓也を見ている。 「フィフティーン サーティだね」 拓也が言った。 遥は首を大きく振ると、次のサーブを止めて拓也のコートに向って来た。 「えっ? まだ1ゲームも終わってないよ」 拓也が疑問の声を上げると遥が言った。 「もういいの。あなたがやっぱり私の思っていた通りの人だと確認できたから・・告白もこのままね」 「えっ? それはどう言う意味?」 それには遥は答えなかった。
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