第4章 安曇電気研究所

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「anjeon belteuleul pulgo son-eul meoli dwilo. bakk-eulo nawala (シートベルトを外して、手を頭の後ろに回し、外へ出ろ)」 遥には拓也の喋っている内容が分からなかった。(あれは朝鮮語?) 操縦者が外に出てくる。 拓也はその男に後ろを向かせ、拳銃のグリップ部分で男の頭を殴った。 その場に男が倒れ込む。 「遥、左の席に座って!」 拓也が叫ぶのを聞いて、遥はヘリの前方を廻り、左のドアを開けて左席に座った。 ドアを閉めると、同時に拓也が右席に乗り込んだ。 「シートベルトをして」拓也が言った。 遥がシートベルトをしていると、前方の西非常階段のドアから武装した2名の男が飛び出して来た。 「遥、捕まって!!」 拓也は、まだ、シートベルトを装着していなかったが、左手のコレクティブレバーを持ち上げヘリをホテルの屋上から離陸させた。ラダーペダルの左側を押して、サイクリックステックを左に傾けながら、前に押した。ヘリは、上昇しながら左に旋回し、銃を構えた男たちの頭上を超えて、高さ120メートルのホテルの屋上から横浜湾の上空に出た。 拓也がヘッドセットを被っている。 遥も同様にコックピットの上に吊るされていたヘッドセットを被った。 「拓也、ヘリも操縦できるの?」 遥が目を見開いて聞いた。 遥も前回の事件でヘリを操縦したけど、あれは落ちない様にバランスを取っていただけだった。 「ゲームの中でね・・覚えたんだ・・」拓也が操縦しながら言った。 「さて、どこへ行こうか・・? 奴ら、諦め悪いみたいだから・・」
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