プロローグ

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プロローグ

 日が昇りだし、朝日が滝とボクらを照らす。  滝のほとりで互いの得物を構え向かいあうボクらの間には糸を張ったような緊迫感が漂う。  起きだした鳥たちが合わせたかのように飛びだったその時、トモマサが振りかぶっていた太刀を接近すると同時に振り下ろしてくる。  難なく避けたボクのところへ手首を返して、刃が迫ってくる。  それに対してズィピスで斬撃を逸らし、トモマサの腹部へと剣先を走らす。  トモマサは左手で小太刀を逆手に抜き、それを下へ逸らしズィピスが地面に刺さる。  ボクは刺さったズィピスを軸にトモマサの顔めがけ蹴りを放つ。  そこでボクとトモマサは動きを止めた。  ボクの足はトモマサの顔にあたる紙一重のところにある。  トモマサの太刀はボクの首にあたる寸前のところにある。  つまり、あのままいけば相打ちになる状況だ。  より一層張り詰める緊迫感。  森は次第に騒ぎ出すがその周りだけ異様に静かになる。
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